「青い車」

26日に観たのだけど、余韻が後からじわじわやってくる。あまり深く考えない方がたぶん良い映画。原作のマンガ読んでないんだけど、役者が好きな人ばかり。この映画の良さは、メインの3人(ARATA麻生久美子宮崎あおい)の雰囲気によるところが大きい。

世の中考えてもわからないことだらけだし、答えなんかない。答えが必要なときは自分で用意するしかない。生きることは辛いこと、だけど、敢えて深くそこに踏み込まない視点で描かれている。踏み込みたければ、観客ひとりひとりが個人作業するしかない。辛い作業が嫌いな人は、ただこの映画の空気を感じるだけでも何かを得るはず。それでも、私は考えずにはいられない。

リチオの語られない苛立ち、恐怖、やさしさ、怒り、愛といった、感情や想いがそのままで、そして何ともせつないラスト。「俺がなんとかするから」と言う言葉、、、「なんとかって?」と思ったんだけど、何も起こらないです。今となっては、なんとかしようも何もない。そんなことを今頃考えたりした。後から、あのシーン、このシーンがフラッシュバックして、いろいろ考える。

宮崎あおいちゃん、微妙な役柄にぴったりの雰囲気なんだけど、この子はいつまでこの空気をまとっていられるだろうと心配になった。一番地に足の着いた役どころの麻生久美子のクラブで踊るシーンはなんとかならないものか。すごく好きな女優さんなんだけど、ここだけはほんと残念。ARATAはワンダフル・ライフから観てて、今回、リチオ役はなんか小沢健二を思い出した。「LIFE」の頃のオザケン。ライフつながりか。じゃなくって、ひょろっとしてて皮肉言ったり、世の中を斜めに見てるような視線や佇まいがですね、彷彿と(ほとんどサングラスなんだけど)。

それにしてもあの2人はどうなるんだろうか・・