「珈琲時光」(ネタバレ注意)

浅野忠信見たさに(恋する忠信萌えで)行ったんだけど、一青窈が結構よかった。映画そのものは、ちょっと微妙。イマイチってほどではないけど、ちょっとバランスが悪いというかかみ合わないというか。空気感はよく出てるんだけど、役者の演技に頼りすぎた結果、全体に統一感がないというか、ぎこちなさが残った感がある。寡黙な養父役の小林稔侍の養子である陽子に対する眼差しは娘に対する愛情なんだろうけど、それと対照的に、養母役の余貴美子と陽子のやりとりの不自然さが目に付いた。娘の至らなさに「お母さん、恥ずかしい」を妙にたっかい声で連発するところに、「母親を演じている」養母を余貴美子が演じているように映った。設定もあまり語られないし、登場人物の心情も吐露されない。その場その場の空気や表情、目の演技から察するしかないのだけど、一青窈の表情からは「台湾の彼」の存在が希薄だった。
ライターとして親元離れて自活しているしっかり者の陽子が、うっかり妊娠するようには見えないし、仮に望んでそうしたとしても、それほど彼を愛してるようには見えなかった。というのも、「台湾の彼」の存在が薄すぎた。彼?から留守電が入っていたりするが、写真一枚出てこないし、電話でしゃべっている場面もない。ハジメちゃんと一緒にいる方が恋人同士に見えるし、何よりハジメの陽子に注がれる眼差しが優しく、暖かい。陽子の妊娠について訊きたいけど、訊けないハジメがもどかしい。そして何がぎこちないかというと、陽子もハジメに対して悪い気がしないのだ。というか、もぉ好きでしょ。だってあれだけ、ハジメちゃん、ハジメちゃんて電話したり、会いに行ったり、捜しまわったりするんだから。でも、お腹には他の男の子供が。。。たぶんこれが一番の「ぎこちなさ」。この二人、すれ違う場面も何度か(2回くらい?)あって、最後にやっと会える。さわやかなそよ風のような予感を残して映画は終わる。感じ取り、察する映画ですね。

余談ですが、一青窈って小さくて華奢でかわいいですね。並んで歩いてると忠信が巨大に見える。友達が学生のときに一青窃と飲んだことがあるらしい。今度聞いてみよう。